練込について

当工房の制作する陶器は、練込みという技法を用います。 技法と言っても、 文様、又は個人の理論によって、それぞれ技術が違い 、 確立したマニュアルがあるわけでは有りません。
作品の焼き上がりを、より良くしたい、 展示会には新作を出したいということで、 新しい文様、新しい材料に チャレンジすることが多く、 割れとの戦いを強いら れています。

制作のスタイルとして、 主に一点物で作品を仕上げる場合、 パーツを寄せてモチーフを作り(花等)、 組み合わせて模様にし、 表現する方が多いと思います。


線文(ストライプ)から練りこみを始められる方も多く、 幾何学模様で表現する場合、ブロック製法なので量産は出来 ますが (2個以上ということ)、どうしても表現が硬くなるので、 器の文様として 一般受けし難い点が、難題かもしれません。


当工房では、幾何学模様・花文様が主で、一部切り抜き(一枚づつ切 り 抜くわけでは有りません)で絵模様を作成する時もありますが、
収縮率、土の量、三角関数を使って模様作りの手順を 計算し、 無駄の出ないように組んでいきます。計算機は必需品です。
丸い皿や鉢を作る場合、六角柱や八角柱から円柱に仕上げる場合と、 最初から数個の色の違う円柱を組んで、仕上げる場合があります。


模様を組んだ生地をスライスして、型を使って成型しますが、 カップ等別底を使わず、一体成型で仕上げるのが特徴かもしれません。
練込みの生地を作るとき(厚さ1mmにスライスしたものを多用します)、 器の成型をするとき、粘土を扱うにはそれなりの熟練と工夫が必要です。
又、練込みの模様を作る時、よく空気を抜くという表現をされるのですが、 もちろん、そのことも大事なことですが、 割れる原因は、一概に其ればかりを意識しても解決しません。
収縮率を合わせても、耐火度を合わせても、模様を工夫しても、絞締、 高台、取っ手の影響、乾燥、焼き方(練込みをされる方は大抵、酸化焼成 をされるのですが、当工房では還元又は炭化焼成をします。)・・・etc
でも、割れるときは割れます! 歩止まりの悪さにメゲナイ忍耐力だけは、ホメテアゲタイです。^^;
やきものやさんは全国にたくさんいらっしゃいますが、 練り込みだけを制作 している窯元は少なく、当工房では、普段使いの器を コンセプトとして作陶しています。